「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばん大切なことは目に見えないんだ。」星の王子さまより
「世界で最も素晴らしく、最も美しいものは、目で見たり、手で触れたりすることはできません。それは、心で感じなければならないのです。」ヘレンケラーより
これは、フランスの小説 “星の王子様”の有名なフレーズと、ヘレンケラーの名言の1つ。
星の王子さま
作者 サン・テグジュペリ Antoine de Saint-Exupéry
訳者 管 啓次郎
初版発行: 1943年4月
概要(角川書店)
砂漠に不時着した主人公と、彼方の惑星から来た「ちび王子」の物語。人の心をとらえて離さないこの名作は、子供に向けたお伽のように語られてきた。けれど本来サン・テグジュペリの語り口は淡々と、潔い。原文の心を伝えるべく、新たに訳された王子の言葉は、孤独に育った少年そのもの。ちょっと生意気で、それゆえに際立つ純真さが強く深く胸を打つ——。「大切なことって目にはみえない」。感動を、言葉通り、新たにする。
私の仕事の中には「学生への授業」「まちづくり」「マネジメント」がありますが、前述の名言の共通点でもある心で見るということについて深く考えさせられていることに気付きました。
今目に見えているもの、手に取れるもの。見えるものしか信じない?
果たしてそれがすべてなのか?
人は無意識にデータや、数字、肩書きなどに目が向く傾向にあります。偉い人の言ったことは何でも素晴らしいことに見える、というようなことわざもあるほどです。それは日常で人を評価するという部分にも影響を与えます。時にそれは、目に見えない時間でそれまでの苦労やプロセスもなかったことになります。もちろん、それで悔しい思いをすることもありました。正直私たちの仕事は裏方で評価されにくいことの方が多いかもしれません。それでも、私たちは仕事をする上で、見えないところにこそ力を注ぐことを意識しています。
なぜなら見えない時間の中にこそ、本質的な価値があると知っているからです。
きれいな花を咲かせるには、芽が出るようにと日に当ててあげたり、水をあげたり。芽が出たと思っても強い嵐や暑い日差しを受けたり。たくましくなるまでに長い長い成長過程があります。咲いている花を摘んで見せることは誰にでもできますが、花になるまでの目に見えない時間に手をかけることはとても大変なことです。私たちは、それこそ根気強く挑戦していくべき価値ある仕事だと感じます。