訪日外国人が年々増え続ける中、日本も一人一人がグローバルな人材になることが必要とされています。
この情勢の中で、引け目を感じずに自信を持って海外の方々と接することができるようにと、
奈良県にある和菓子屋さまをサポートさせていただいております。
目標
①英語での接客フレーズを習得する
②「伝えられない」を「伝えられる!」の自信に変える
③日々の接客で実践し、より多くの海外からのお客様にお店の魅力を発信する
【英会話】の講座と【接客英語】の講座、各月1回(2時間)全12回のコースです。
各講座での様子をこのページでご報告させていただければと存じます。
実施日時
2018.11.15 Thursday(第11回/12回)
講座内容
①10分英会話(ウォーミングアップ)
②商品説明の練習
③トラブル対処の英語
今回は万が一のトラブル時に備え、トラブル対処英語を練習をしました。
“Sorry”だけではなく、どのような対応をとるのか、また反省の意を示すことが日本語と同様英語でも必要です。
ではまず謝罪の基本フレーズです。
*「謝罪」にまつわるフレーズ
“We’re sorry for~.”「〜してすみません。」
“We apologize for~.”「〜して申し訳ございません。」
apologize:謝罪する
We’re sorry for~ < We apologize for~
個人の責任で謝る時は
“I”を使い、会社全体の責任の時は“We”を使うようにしましょう。
ちなみに英語でクレームは“complaint”と言います。
“claim”は「~を主張する」という意味です。
ではトラブル時のフレーズをいくつかご紹介したいと思います。
(1)「いつまで待たせるの!」
お客様:“Why is it taking so long?”
「なぜそんなにかかっているのですか?」
↓
スタッフ:“We are really sorry. I will be back with your order in a minute.”
「大変申し訳ございません。すぐにご提供いたします。」
(2)「料理に髪の毛が入っている!」
お客様:“What’s this? Is it a hair?”
「これは何ですか?髪の毛?」
↓
スタッフ:“We sincerely apologize for this.
Could you give us a few minutes to make a new one for you?”
「大変申し訳ございません。作り直しさせていただいてもよろしいでしょうか?」
(3)「料理が冷めている!」
お客様:“This meal is completely cold. I wanted something hot.”
「この食べ物は完全に冷めています。温かいものが欲しかったです。」
↓
スタッフ:”We are really sorry.
Could you give us a few minutes to make a new one for you?”
「大変申し訳ございません。作り直しさせていただいてもよろしいでしょうか?」
(4)「隣のグループがうるさい。静かにさせてください。」
スタッフ:“Excuse me, I would like to ask you a favor. Could you speak a little less loudly? “
「すみません、お願いがあります。
もう少しだけ静かにお話ししていただけますでしょうか?」
*I would like to ask you a favor.:お願いがあります。favor:親切な行為
↓
お客様:“Oh, sorry.”
「あ、すみません。」
↓
スタッフ:“Thank you very much for your understanding.”
「ご理解ありがとうございます。」
(5)お客様に料理をこぼしてしまった時
スタッフ:“I am so sorry.”
「大変失礼いたしました。」
“Are you alright? Did you get burned or injured somewhere?”
「お体は大丈夫ですか?やけどや怪我はなさっていませんか?」
お客様:“I’m fine, don’t worry about that.”
「大丈夫です、心配しないで。」
↓
スタッフ:“I am very sorry for the inconvenience.”
「ご迷惑をおかけしてすみません。」
(6)その他の表現
スタッフ:“We are looking into the matter and will let you know what we find out.”
「ただいま調べておりますので、分かり次第お伝えいたします。」
スタッフ:“Thank you very much for your precious feedback on our menu.”
「メニューに対する貴重なご意見誠にありがとうございました。」
“We are sorry”だけでなく、時には“Thank you”と感謝の意を示すコミュニケーションも大切ですね。
日本語は「ありがとうございます」や「申し訳ございませんでした」と伝える時は、何に対してかは伝えなくてもそれまでのやり取りで察する言語ですが、英語は「何に対して」のお礼や謝罪かを示す必要があります。ですので、“Thank you very much for~.” “We are sorry for~.”の後に「何に対して」をつけてお伝えしましょう。
成果
①苦手意識がなくなっている
「今まで英語で接客することに躊躇いがあったのが、今はなくなりました」とスタッフさまが教えてくださいました。海外のお客様のご来店時は最初は自信がなく、誰が対応しようといった状況だったそうですが、日々実践を積み重ねることで戸惑いがなくなっているそうです。海外のお客様のご来店時は“Hello!”のお声がけが自然に出てくるようになったことや、店内に入られた時に店内の奥から“Hello!”とお声がけすると、一度は外に出られたものの戻ってきてくださったというお話もうかがいました。
訪日外国人の数は右肩上がりでありかつ今後も増加が予想される状況の中、こうして日本に海外の方が訪れ、双方の交流が当たり前の風景になっていることは大変喜ばしいことですね。
②会話を楽しめるようになってきている
「商品の違いを問われ、初めはどう説明しようか迷いましたが、知ってる単語を使って必死に伝えました!伝わった瞬間お客様が笑顔になり、商品も購入していただけて嬉しかったです」と別のスタッフさまがご報告してくださいました。完璧な文章よりも、こうして一生懸命対応される姿勢が何よりも大切であり、「また来たいな」「あったかいお店だな」という気持ちに繋がるかと思います。
課題
「文章がとっさに出ず単語で話してしまう」というお声もあります。単語での会話から文章での会話にするには、フレーズや英文にたくさん触れることがレベルアップのカギです。日々少しでも英語に触れ、英語の文章を目で見て・耳で聞いて・口で発する(時には書く)練習をするとより英語が体に染みつき自分のものとなります。ウォーミングアップの10分英会話での会話や実際どのように接客されたのかをお伺いしていると、単語だけではなく文章で話されている場面も多くあるので、あとは自信を持って会話を楽しむのみです!
次回の戦略・展望
次回は今年1年間の締めくくりとして総復習をします。これまで練習してきた様々な接客パターンをもう一度実践練習し、また優先的に身に付けたいフレーズを練習するなど、スタッフさまが一つでも自信を持ってお客様にお伝えできるフレーズを増やせるようサポートさせていただきます。