私たちがまちづくりに、関わる地域にも、空気感を醸し出す美しい情景が数多くあります。その度に、この情景に少しでも触れていたいと思いを馳せるのです。そのうちに、私たちもこの美しい情景や風土、まさに空気感を大切だと感じています。
特にまちづくりに関わる際には、土着的な源泉に触れ、私たちが「どのように作用することが最善か」と苦心します。私たちの企画やデザインの中では、地域の資源、建築、住民など様々な要素によって、地域固有の雰囲気をどのように表現するかを見極めることは大切なことだと日々感じています。与えられた時間の中で、その地域にある豊かさ、厳しさにどこまで想いを馳せることができるかが、関わるものの成果に比例するのではないでしょうか。
日々のまちづくりの中で、美しいと感じた情景をご紹介します。長崎県 五島列島の小値賀町にある納島の景色です。この港は、この島で唯一のもので、人々の生活を支えています。この港が必要とされるのは、人々の生活がそこに、まだ残っているからなのだと実感するのです。ツムトアの言う「実在するものの魔術」は、このような作用を言っているのでしょうか。